Editour.VOL. 001 — SUN, JUL 19, 2026SUN, JUL 19
FULL-BLEED LANDSCAPE — 川と町の写真FULL-BLEED LANDSCAPE
紀行 — EDITOUR IN 高知

川と生きる町で、流れにまかせた三日間

Three days with the river, Kochi
2026.07.01–03 ・ 読了 12 MIN ・ TEXT & PHOTO: 編集長 KAZ
2026.07.01–03 ・ 12 MIN ・ TEXT & PHOTO: 編集長 KAZ
高知市DAY 1仁淀川DAY 2四万十DAY 3ROUTE — KOCHI, JAPAN高知市DAY 1仁淀川DAY 2四万十DAY 3ROUTE — KOCHI
行程 — ITINERARY
DAY 1 — 高知市

朝六時の日曜市は、もう始まっていた。文旦、川エビ、山の芋。売り手のおばあさんは値段より先に食べ方を教えてくれる。この町では、商いの速度が会話の速度を追い越さない。

朝六時の日曜市は、もう始まっていた。売り手のおばあさんは値段より先に食べ方を教えてくれる。この町では、商いの速度が会話の速度を追い越さない。

路面電車に揺られて、川の匂いのするほうへ。明日から向かう上流の話をすると、車掌は「急いだら、もったいないですよ」と笑った。

PHOTO — 市場の朝(全幅)PHOTO — 市場の朝
日曜市、午前六時。三百年続く朝の風景。 PHOTO: EDITOUR
日曜市、午前六時。 PHOTO: EDITOUR
PHOTO — 路面電車
はりまや橋交差点にて。
PHOTO — 川エビ
市場の川エビ。今夜の宿の夕食に。
DAY 2 — 仁淀川

上流に近づくほど、水の青は名前を失っていく。「仁淀ブルー」という言葉を持ってきたはずが、目の前の色はそのどれでもない。船頭の言葉が良かった。「色は、水が決めることやき」。

上流に近づくほど、水の青は名前を失っていく。船頭の言葉が良かった。「色は、水が決めることやき」。

PHOTO — 仁淀川の淵(全幅)PHOTO — 仁淀川の淵
にこ淵。光の角度で、水は一時間ごとに色を変える。
にこ淵。水は一時間ごとに色を変える。
DAY 3 — 四万十

沈下橋には欄干がない。増水したら、抵抗せずに水の下へ沈む橋。七十年川漁をしてきたという漁師は言った。「川と喧嘩せんことよ。勝てんもんとは、仲良うするが賢い」。

沈下橋には欄干がない。七十年川漁をしてきた漁師は言った。「川と喧嘩せんことよ。勝てんもんとは、仲良うするが賢い」。

帰りの列車で、three days の予定表を見返した。半分も回れていない。それなのに、鞄が行きより重いのは気のせいではないと思う。

PHOTO — 沈下橋
岩間沈下橋。欄干のない設計思想。
PHOTO — 川漁師
柴づけ漁の仕掛けを直す手。
旅を終えて

流れにまかせる、という言葉を、諦めの同義語だと思っていた。けれどこの三日間で会った人たちは、誰よりも注意深く水を見ていた。まかせることと、見ていないことは、違う。東京行きの最終便で、そのことだけをノートに書いた。

まかせることと、見ていないことは、違う。東京行きの最終便で、そのことだけをノートに書いた。